2020年のフレッシュ-その1-「10月のフレッシュ」

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「フレッシュが10月に開催された」という事実は今年唯一であってほしい。

 本来イースターの前後に行われるイベント*1が、断りもなく急速に変わっていく世界のおかげで延期となってしまったのは、スタート1ヶ月前の3月末のことだった。フランス語で「矢」の意味を持つこのブルベは、3~5人でチームを組み、360km以上の道程を24時間以内に走る。そんなことを簡単に容認してくれる雰囲気は既に僕の周りでは無かったと記憶している。

「延期は残念ですが中止でなくてよかった」と我がチームのグループDMに書き込まれていたのを見て心底同意した。それにしても対岸の火事だと思っていたことが、僕の日常生活にまで食い込まれるとは。まるで映画のようだった。密とは無縁だと思っていたこの山形の地にも影響はあった。その間、いぢちさんたちとZwiftでゆるゆる室内サイクリングに興じることができていたのが救いだった。

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 時は流れ8月、オンライン飲み会というやつで改めて決起集会を図ったわれわれ「チームゆるふわグルべ」の5人は徐々に動き出す。リーダー兼定さんに引いていただいたルートを改めて精査し、仮眠ポイントはこことここで・・・という具合にやり取りを重ねる。今回のコースは軽井沢をスタートし、一旦茨城まで東へ進み、そこから熊谷・八王子を抜けていく。最後はナイスなサイクリストが集うナイスプレイスの山梨県石和温泉を目指す。標高1000mの軽井沢から下って距離を稼ぎ楽をして、その貯金で佐野ラーメンを食べる算段だ。「ゆるふわ」+「グルベ*2」を標榜とする我々ははたして、一兎どころではなく二兎を得れたのだろうか。

 フレッシュの時、基本的にメンバーは思い思いに、ばらばらに走ってはいけない。*3これが1番難しい。つまり走る・寝る・食べる・出す、含めて24時間どこでもいっしょ*4。人より食べられない・食べられる、眠い・眠くならないのようなそれぞれの違いが精神的・体力的なダメージをじわじわ削ることは過去何度も経験した。だから、今回のメンバーは走力・人となりをよく知る人たちで固まっている。

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今回のコース。

 久々に首都圏へ足を運ぶことになるので、せっかくだからと金曜の午後と月曜日に有給を取得して、友人などなどにフレッシュの後会う予定を立てた。東北から首都圏にこのご時世向かうことは、正直まだ帰って来て堂々と言えるような雰囲気ではなさそうだ。万が一道中で拾ってしまい、僕の住む街で広げてしまったら生きていくことはできないと、実際聞いた過去の事例から容易に推測できる。どうしようもないものだ。僕も数ヶ月も足を運んでいないとよくわからない情報に足をすくわれてしまう。凝り固まった考えだけではなく、そこに自分で見た景色を補いたい。とりあえずは気をつけて行動する。僕にできるのはそれだけだ。

 10月16日、秋が深まりつつあることを夜の肌寒さで実感する平日最終日の午後、酒田から新潟まで車を走らせ、そこから新幹線で軽井沢に向かう。電車に乗るなんて何ヶ月ぶりだろうか。前回乗ったのは東京出張のために2月末のことだったはず。乗客もまばらで、ほとんどが出張で移動していたサラリーマンだった。僕ひとりがいかにもこれから遊ぶぞという格好なので、リクライニングもして若干の優越感に浸っていたら大得意先から電話が入ってきた。悲しいかなわたしもサラリーマン。ちなみに車から電車への乗り換えで時間がなく慌てふためき、切符を撮った写真でも分かる通り手が油まみれになってしまった。もう少し落ち着いて生きることができないのか、俺。

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新潟はこんなに天気がよいのでした。

 

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死物狂いで出発3分前に新潟駅ホームへたどり着いた27歳男性の手。

 

軽井沢に6時すぎに到着。7時からみんなで夕食を取ることにしていたのでこの時間。それにしても寒い。気温は7度。平地で白い息が出るとは思わなかった。

 

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友達に持っていくお土産などを詰め込んだらにぎやかな自転車になった。

 今回初めて、大型サドルバッグを導入。TLでばるさん等へ相談の果てにトピークのバックローダー(10L)を購入。これなら2泊3日くらいのライドは全然問題ないし、道中お土産などを入れるには最適だ。感動した。

 

今回泊まる「ホテル軽井沢エレガンス」

www.karuizawa-elegance.jp

チェックイン時に気さくなオーナーと仕切り越しに談笑。どうやら元NSC5期生とのことで、東野幸治と同期らしい。それにしても、このホテルに気軽に止まることができたのはGotoほにゃららさまさまというか。気軽に泊まることができる背景を考えると、複雑な気分ではあるが活用させていただく。プレミアムクーポン券なるものを初めて入手してテンションがかなり上がったが、その後水没して紙屑となった。ちなみに部屋はかなり広々。悠々自適。

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 夕食は近くの「リストランテ ピエトリーノ」。ここで今回一緒に走るメンバー5人と合流。リーダーの兼定さん、ナラさん、たなさん、リョウ君、そして僕。全員がPBP出走者という心強いメンツだ。僕は土地柄簡単に会えないのでPBPぶりの再会だった。

 

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軽井沢らしい食事。グルベこれにて完。

一通りコース料理を頂いて、コンビニで食料を買い込み、ホテルに戻って最終チェック。12時ごろに就寝。

明日は午前9時から24時間フル稼働だ。「あれ、寝れない……???」と少し焦燥感を覚えたが、10分くらいたったところで意識は遠のいた。

 

*1: こんなロマン輝く歴史があるのですよ https://www.audax-japan.org/brevet/fleche/fleche-history/

*2:グルメとブルベの合成語

*3:https://www.audax-japan.org/wp01/wp-content/uploads/2017/09/6b4ea703091d2686bc72989b1e3972a2.pdf 細かい内容についてはここに書いてある。今回間違いはあってはならないと調べていたらしっかり書いてあった。すごい。

*4:どこでもいっしょN64からプレステ2に移行した家なので遊んだことはないけどトロは間違いなくかわいい。